— 8.最近の雨水は怖い —

電波伝搬実験は主に山の頂上等、人気の無い辺鄙の場所で行う事が殆どですが、私が実験で訪れた場所は、伊豆大島の人里離れた灯台でした、

その日は真夏で太陽の日差しがジリジリと照り付ける坂道を沢山の荷物を抱え結構な時間、歩きました。

目的の灯台が見えた時には喉がカラカラに乾き一刻も早く水が欲しい状況でしたが、運よく灯台の建物に蛇口を見つけ一目散にハンドルを開き直接、蛇口から水を飲みました。

しかし、飲み込んだ水の臭いと味の異常に気がつき途中で飲むのをやめました。

水道の配管を追うと、その建物の屋上につながっておりました。その建物にはタラップが取り付けられておりましたのでタラップを上り、上から確認すると天井自体が浅いプールのようになっており雨水が蓄えられておりました。

その水の中には多く藻が発生しており、よく見ると藻の隙間でボウフラがくねくねと蠢めいていました。

その光景を見た私は後で、お腹を壊す事を覚悟しましたが、意外にも体調を崩す事がありませんでした。

 

しかし、最近の雨は酸性化しており、特に降り始めの雨はコンクリートを溶かすほど酸化が進んでおり毒性化している事を聞いた事があります。

その為に最近の雨を利用した貯水システムには初期雨水除去装置なるものが導入されたものがあります。

鯉を飼っている愛好家の話ですが、酸性化した雨水が原因で鯉が全滅した話を聞きました。

昔のボウフラがわいた雨水より、最近の雨水の方が危険なのかも知れません。