— 7.ミラーテスト —

教育訓練の後半は、OJTが主な業務になりましたが、そのOJTでも幾つかの思い出があります。

一番の思い出は電波伝搬実験ですが、マイクロ回線を設置する為には事前に机上の計算で電波の損失などを算出した後で実際に、その計算通りに電波が飛ぶかを実験します。

私は何度か、この実験の助手として参加しておりますが、最初に驚いたのはミラーテストでした。

電波伝搬実験では、対向する二組に分かれて実験を行いますが、相手に対しアンテナの方向を正確に向ける必要があります。

しかし、何十キロも先の相手の位置を知る方法が、意外とローテクでした。その方法とは鏡を用いて太陽の光を相手に向け、こちら側の位置を知らせる方法です。

これがミラーテストですが、何十キロも離れた相手の方向に向けて勘を頼りに鏡の向きを少しずつ変えながら行いますが、うまく方向が合えば相手側で一瞬ピッカと光るので正確な相手の場所が解ります。

この後スケッチを行い、その場所を記録しておきます。

始めて光を見つけた時は、ちょっとした感動を味わいました。