— 13.大らかだった昔の話(その2)—
この話も南西航空のエピソードですが、宮古島から多良間に向かう飛行機の中での話です。
その飛行機が、やがて多良間島に着こうとしたところ突然、操縦室の扉が開き、パイロットが乗客に、こう言いました「もし、皆様が許すのであれば多良間島に着陸する前に近くにある水納島まで寄ってみたいのですが宜しいでしょうか?」
勿論、私を含め搭乗者の中に反対するものはおらず、全員が快諾しました。
その水納島は多良間島の近くにある小さな島で離島の中の離島です。確か当時の島民は一家族で4~5名しかいなかったと記憶しております。
昔の沖縄では路線バスは、停留所でなくとも手をあげれば、どこでも止まってくれましたが、さすがに、お客様を乗せた飛行機が飛行ルートを外れて遊覧するのは、今では考えられない事でしょう。お陰で私たちも、思わぬ遊覧飛行を体験する事が出来ました。
この話が事実であれば、社内規定や関連法令に違反する事になるかと思いますが、何しろ40年以上前の話で、すでに時効になっていると思われますし、事実であったと言う証拠も残っておりませんので、どなた様も当局には訴え出ない様に、お願いします。
余談ながら私は大きな飛行機より小さな飛行機の方が好きです。
その理由は、小さい飛行機の方が低空で飛ぶために空を飛んでいる実感があります。
特に、おすすめするのは、那覇から座間味島に飛ぶ飛行機です。
私は、かなり前に阿嘉島行きのセスナ機に乗った事がありますが、阿嘉島に近づくにつれ慶良間ブルーのサンゴの海が海底まで見え、どうかすると亀などが泳いでいるのが見えるのでは無いかと思える光景が広がってきます。
その透明度の高いブルーの海に、あなたの目が釘付けになるのは間違いないでしょう。