— 12.大らかだった昔の話(その1)—

沖縄の県民性は大らかだと言われます、その例として昔の結婚披露宴は、招待客が時間通りに集まらず会場の席がある程度、埋まるのを待って1,2時間遅れてスタートするのが普通でした。そうなると大らかを通り超しルーズと言われても仕方がありません。

そんな大らかと言うかルーズな話を二三紹介します。

 

私は南西航空の無線機の保守を行っていた事は別のエピソードで書いておりますが、小さな離島は搭乗手続きや荷物の積み下ろしなどは、地元の島民に委託されておりました。

しかし、少ない職員で業務をこなしている為に荷物の積み下ろしは、大忙しです。

そんな状況の中で私は、いつしかその荷物の積み下ろしを手伝うようになり、無線機の点検を終えた後も事務所で過ごす事が、当たり前になっておりました。

 

この話は、多良間空港事務所での出来事ですが、飛行機の出発時刻になっても一人のオバー(老女)が空港に来ていません。

そこで、事務所の職員が、そのオバーに電話をした所、オバーいわく「今、家を出るから飛行機を待たせておいて」と、その事を職員はパイロットや他の搭乗者に伝えた所、誰も文句を言わず、オバーが来るのを待っておりました。

空港に着いたオバーは、ニコニコ顔で「待たせてごめん」と一言残して飛行機に乗り込みました。