— 11.昔の飛行機 —
当時の南西航空は、宮古島や石垣島等の幹線にはYS-11を比較的に小さな離島には19名乗りの飛行機を就航させていました。
この小さな飛行機は元々、貨物を運ぶ為に開発されたカナダ製のツィンオッターと言う飛行機を旅客用に改造されたものでした。
その飛行機の内部の様子は、160cm以上の人は頭を、かがめないと進む事が出来ず、搭乗者の座席はキャンプで使う安い椅子の様なもので二人掛けと一人掛けの横並びになっておりました。
二人掛けの座席は、大きな人と隣どうしになると半ケツ状態で空の旅を楽しまなくてはなりません。特に飛行時間の長い南北大東島への航路では楽しみを通りこえて苦痛さえ感じました。
ある時、南大東島から那覇へ帰った時の話ですが、那覇が近づき、やっと飛行機から降りられると思っていた所にパイロットから「那覇空港が混雑している為、空の上で待機します。」と言われました。
那覇空港に着陸できない、その飛行機は慶良間方面と向かいましたが、そろそろ引き返すかと思いきや慶良間諸島を通り越え、とうとう久米島近くまで飛んで、ようやく引き返す事が出来ました。
後で聞いた話ですが、空港が混雑している時は大型機が優先され、小さな飛行機は後回しにされるようです。
もちろん、ツィンオッターには常設のトイレは無く、いざと言う時は最後尾に備えられたビニールカーテンの中の簡易トイレの中で済ませなければなりません。
ついでの話ですが、その頃の南西航空の主要航路にはプロペラ機のYS-11が就航しておりましたが、古い機体のトイレは汲み取り式があったのを記憶しております。